columnコラム

AI時代だからこそ、「考えること」を人に残したい

最近、クライアント様との打ち合わせで、こんなご相談をいただくことが本当に増えました。

「AIで記事を自動生成してくれるサービス、どう思いますか?」
「ホットペッパーへの投稿を自動化するサービスを紹介されたのですが、使った方がいいでしょうか?」
「Googleの口コミ返信もAIがやってくれるらしいですね。」

AI活用の範囲は、この1、2年で一気に広がりました。
記事作成だけではありません。

予約サイトへの投稿、口コミ返信、SNS運用、メール対応まで、
「AIに任せられるなら任せたい」というニーズが、
あらゆる業務に広がっています。

私自身ももちろん、AIは毎日使っています。
文章の下書きを作ったり、アイデアを整理したり、簡単なシステムやツールを作ったり。

少人数で仕事をしている弊社にとって、AIはもう欠かせない存在です。
実はこの記事も、構成や表現についてはAIと壁打ちしながら書いています笑。

・・・

だから私は、AIを否定したいわけではありません。
むしろ、これからもっと積極的に使っていくべきだと思っています。

ただ、その中で最近ずっと感じていることがあります。
今日はその話を書こうと思います。

AIが書いた情報で人が意思決定する気持ち悪さ

例えば美容室のホームページ。

「40代にはこのカラーがおすすめです。」
「髪質改善ならこの施術がおすすめです。」

こうした記事の多くは、今ではAIでも簡単に作れるようになりました。
恐ろしいことに、施術写真も画像生成AIで作れますし、
予め「メンズカット」「韓国風」「髪質改善」といった
自分が集客したいキーワードを設定しておけば
それに合わせた記事を何十本でも作ることができます。

そして、その記事を読んだ人が「この美容室に行ってみよう」と判断する。
そんな時代が、すでに始まっています。

私は、この状況に少し気持ち悪さを感じています。

その記事は、人が経験をもとに書いた文章なのか。
AIが膨大な情報を整理して作った文章なのか。

今では見た目だけではほとんど区別がつきません。
そして、多くの人は、それを気にしなくなってきています。

もちろん、内容が正確であれば役立つ情報になることもあります。
でも、人は本当に「情報」を信じているのでしょうか。

私は違うと思っています。

人が信じているのは、その文章の奥にある「経験」や「判断」、
そして「なぜそう考えたのか」という背景だと思います。
「信念」や「美学」と言っても良いかもしれません。

AIが作るのは「知識」であって「経験」ではない

今日も、こんなご相談をいただきました。
「Claudeを使ってWordpressの記事を量産したら、お問い合わせは増えますか?」

私の答えは、いつも同じです。
記事の数を増やすだけでは、お問い合わせは増えません。

なぜなら、お客様が問い合わせをする理由は
「ブログ記事がが多いから」ではなく、
「この会社なら信頼できそう」と感じたからです。

その信頼は、AIが作った文章ではなく、
その会社が積み重ねてきた経験や考え方から
生まれるものだと思っています。

これから価値が高まるのは「判断」

これから「文章を書く力」そのものの価値は少しずつ下がっていくと思います。
AIが十分すぎるほど上手に文章を書けるようになったからです。

その代わりに価値が高まるのは、

「なぜその結論に至ったのか」

という判断です。

  • 美容師なら、なぜこの髪型を提案するのか
  • Web制作会社なら、なぜこの施策を選ぶのか
  • 経営者なら、なぜその投資をするのか

AIは一般論を教えてくれます。
でも、その会社だからこその判断基準や、
その人だからこその価値観までは作れません。

私がクライアント様へWeb施策をご提案するときも同じです。
一般的なSEOの知識だけで提案しているわけではありません。

その会社の強みは何か。競合はどこか。
以前、似た施策を試した結果はどうだったか。

そうした経験を積み重ねたうえで、
「今回はこの方法が良いと思います」と判断してご案内します。

AIも参考にします。
でも、最後に決めるのは私です。

その責任だけは、
人が持つべきものだと思っています。

「AIに考えてもらう」という落とし穴

「人が考えて、AIが仕事をする。」
この形は、とても良い使い方だと思います。

でも最近は、
「AIが考えて、人がその通り動く。」
そんな場面が少しずつ増えているように感じます。

「今月は何を書こう?」
「どんな提案をしよう?」
「SNSはどんな投稿がいいだろう?」

まずAIに聞く。

AIは、整った答えを返してくれます。
だから、そのまま採用したくなる。

でも、その答えは、
本当に自分のお客様のことを考えた結果でしょうか。

本当に、自分が伝えたかったことなのでしょうか。

AIが出してくれるのは、「平均的に良さそうな答え」です。
でも、自分の会社にとっての正解は、自分でしか決められません。

考えることまでAIに任せてしまったら、
人はAIを使っているのではなく、
AIの提案を実行するだけの存在になってしまいます。

私は、その状態には少し危うさを感じています。

最初に考えることと、最後に決めること

AIは、これからもっと賢くなっていくでしょう。
文章も、画像も、動画も、ますます人間以上の品質で作れるようになると思います。

だからこそ、人間の役割は「作ること」ではなく、
「考えて、判断すること」に変わっていくのではないでしょうか。

AIに仕事を任せることと、考えることまで任せることは、まったく別の話です。

「このブログで何を伝えたいのか。」
「お客様に今、一番届けたいことは何なのか。」
「なぜ私はこのサービスを提供しているのか。」

まずは自分で考える。
そのあとにAIを使って、表現を磨いたり、文章を整理したりする。
私は、その順番だけは大切にしたいと思っています。

AIは最高の相棒です。
でも、最初に考えることと、最後に決めること。

その二つだけは、
これからも人の仕事として残しておきたいと思います。

それでは。

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